本活動報告では、ゼミ合宿3日目として訪問した DNX Ventures と、体験した 自動運転タクシー(Waymo・Zoox)、そしてPegasus Startup World Cup のハイライトを、M47の北山がお届けします。
DNX Ventures

DNX Venturesの訪問では、日米の起業文化の違いから、挑戦の起点となるスケールについてを考えさせられました。
DNX Venturesは、東京とシリコンバレーに拠点を構えるベンチャーキャピタルで、2011年の創業以来、日米のアーリーステージのB2Bスタートアップへ投資を行ってきました。訪問先のHero Cityは、投資家のDraper氏が設立したアントレプレナー向けのコワーキングコミュニティで、DNXの米国オフィスも入居するDraper Venture Networkの中核拠点です。2階にはVC、1階にはスタートアップ、地下にはアクセラレーターが入居しており、まさに生きたエコシステムを目の当たりにしました。
お話の中で特に印象的だったのは、日米の起業文化の違いについてです。日本の起業家はニッチ領域で小規模に展開する傾向であることに対して、米国の起業家は業界全体をdisrupt(破壊的変革)する志向が強いとのことでした。 確かにニッチ領域で小規模での展開は結果としてスケールしづらい。挑戦の起点をどこに置くかで、その後の結果や広がりががまるで違うのだと感じました。
WaymoとZoox

続いて、合宿前からのゼミ生みんなの関心の1つであった2種類の自動運転タクシー(Waymoとzoox)を実際に乗車し、技術の進歩を体感しました。Waymoはサンフランシスコで、Zooxは合宿後にラスベガスにてツォルモンさんと北山で乗車しました。
WaymoはGoogle発の自動運転プロジェクト。センサーやLiDAR(光検出・測距)で周囲360度を監視して走行します。乗ってみると違和感はほとんどなく、人間のドライバーがいないことを忘れるほど自然な運転でした。待ち時間もUberと変わらず、乗降したい場所も指定できとても便利。乗車中も多くのWaymoとすれ違い、すでに未来のUberとして街の風景に溶け込みつつあると感じました。驚いたのは、人間と同等かそれ以上に運転が上手で安定感があること。前方斜め前に停車していた車がトランクを開けようとしているところを私たち人間よりも先に察知して少し避ける動きをしました。危機管理能力が高く、全てWaymo方が自動車事故が減るのかも、、。とまで思いました。
一方Zooxは、アマゾン傘下のロボタクシーで、運転席すら存在しない完全自動型。4人対面のボックスシートは、まるで移動する会議室のようで、ビジネス利用の可能性を感じました。また、驚いたのは、乗車時にペットボトルホルダーが床に落ちており、内線電話のスピーカーが起動し「それを拾ってください」と人間の声で指示が飛んできたこと。電波が悪く内線電話は少し聞き取りずらかったですが、しっかりとモニタリングされていることに安心感を覚えました。Zooxの乗車は、ピックアップポイントが限られていたり、今は無料で乗車できることから、呼び出しから乗車まで30〜50分ほど待ちました。そのため、乗車のためにピックアップポイントまで歩いたり、Uberで移動する必要もあり、今のところは移動手段というよりアトラクションに近い感覚でした。Forbes JAPAN(2025年9月12日)によると、現時点での走行エリアはラスベガスに限られていますが、年内にはサンフランシスコでのサービス開始も予想されているようです。
Waymoは「人の運転を超える技術の進化」を、Zooxは「移動体験そのものの革新」を感じました。将来的にはビジネス利用や観光など、用途に応じた使い分けが進むのでしょうか。
Pegasus Startup World Cup

世界100以上の国と地域で予選が行われた、世界最大級のビジネス・ピッチコンテスト「スタートアップワールドカップ2025」の決勝戦であるPegasus Startup World Cupを観戦しに行きました。ここでは挑戦者たちが放つ熱量の高さと、日本の技術力の存在感を感じました。
この大会は、世界各国から毎年3万社以上のスタートアップ企業のエントリーの中から、各地域予選を勝ち抜いた代表企業が、優勝投資賞金100万米ドル(約1億5千万円)を懸けて競い合います。我々は次の予定があって最後のピッチコンテストのところは見られなかったのですが、プレスリリース(2025年10月21日)によると世界チャンピオンに輝いたのは、米国・イーストベイ予選代表Coreshellでした。同社は、バッテリーの性能を向上させるナノレイヤー薄膜コーティング技術によって、従来の10倍の容量を貯めることができる低コストかつ高性能なシリコン負極を開発しています。決勝に進んだトップ10社には、日本の企業もあり、ペガサス・テック・ベンチャーズ創業者兼CEOのアニス・ウッザマン氏は、大会の総括で「これだけの世界の強豪が揃う中で、Acompany社がファイナリスト10社の中に名を連ねたことは大きな成果です。毎年日本のスタートアップが世界トップ10社入りしていること自体、日本の技術力の高さを示しています。今回の経験を糧に、今後も日本のスタートアップが世界の舞台で挑戦し続け、さらに成長していくことを期待しています。」と語りました。
ピッチ会場を出たフロアには、人の輪がいくつもできていて、スマホの画面を見せながら真剣に話す人、次の一歩を掴もうとしている人々の渦巻く熱量に、素直に胸が熱くなりました。

合宿最終日の夕食では、誕生日が近い芦澤先生と、大畠さんをみんなでお祝いしました。
朝から晩まで行動を共にしたこの3日間はとても濃密で、ゼミ生同士の距離が一気に近づいたように感じます。
毎晩の振り返りや移動中の車内ではその日の活動を振り返るだけでなく、「自分はこれまでの人生でどんな選択をしてきたのか」「教育とは」といった深い問いについて語り合いました。一人ひとりの価値観や生き方に触れることで、互いをより深く理解できたように思います。
目の前の出来事をただ消費するのではなく、自分の言葉で咀嚼し、人と共有する。その積み重ねを大切にしていきたいと思います。
M47 北山