7月26日から12日間、ボストン(ハーバードビジネススクール)⇒フィラデルフィア(Academy of Management)⇒ワシントンD.C.(世界銀行ほか)を回ってきました。「教育」「研究」「政策」という三つの現場を、それぞれの本場で立て続けに見てきたことになります。
1. ボストン|HBSで「生徒」に戻る
ハーバードビジネススクール(HBS)にて、28カ国のビジネススクール教員が集まる6日間のプログラムに参加しました。
HBSのベテラン教員から受ける授業中、何度も「おー!」と心が震える瞬間がありました。教育に対する情熱、信念を込めた魂の授業は、時差も言語の壁も越えるのだと知りました。
そして何と、授業中はスマホもパソコンも禁止。朝8時から夕方5時まで、久しぶりにAIに依存しない時間を過ごしたら頭がスッキリしました。デバイスデトックス、おすすめです。
現ディーンが推進するアントレプレナーシップ分野のAIプログラムの話も興味深く、何らかの形で連携できないかというのが帰国後の宿題です。
クラスメートとの繋がりも財産になりました。

2. フィラデルフィア|Academy of Management 第86回年次大会
世界最大の経営学の学会。
①宇宙産業セッション。基調講演はAIAA(米国航空宇宙学会)CEOのClay Mowry氏、続いてNASA・スタートアップ・VCの実務家パネル、最後に経営学者のパネル。2018年頃にスタートアップ・エコシステムを「発見」したときと同じ感覚で、「あ、研究の鉱脈を見つけてしまった」と思いました(笑)。この夏には査読論文を1本仕上げて投稿する予定です。
②AIとアントレプレナーシップのセッションは部屋から人があふれる盛況ぶり。AIネイティブ企業のデータが取れるようになり、垂直に、少ない資源で立ち上がっていく姿がデータで裏づけられつつあります。「AIがビジネスアイデアとビジネスモデルの創出を担う」可能性も、実践的な事例が出てきて現象として語られる段階に。日本のビジネススクールもこの部分を急ピッチで立ち上げねば、と痛感しました。
③スカンジナビアの研究者たちによるオープンイノベーションの早朝セッションにも参加。大企業側の戦略立案と発信、そして組織体制が鍵という見立ては各国共通で、中間組織のあり方など他国の事例が参考になりました。

3. ワシントンD.C.|世界の政策決定の最前線へ
最後はD.C.で、政策の現場のお二人と。
①世界銀行 Senior Energy Economist 三ケ田麻美さんは長く国際機関の第一線でエネルギートランジションの専門家として活躍しています。議論では、エネルギートランジションが日本のスタートアップエコシステムに与えうるインパクト、日本の技術的・社会経済的な強み、系統送電線の課題まで。「一緒に考えよう」と研究会の立ち上げ話にもなりました。
②Albright Stonebridge Group の Managing Director 関口ゆかりさんとのお話は、刺激と示唆に満ちたものでした。日本の各種政府委員会についての日頃のモヤモヤが、ワシントンから見た視点でやたらクリアになるなど、さすがのIntelligence。
短い滞在でしたが、霞が関・永田町との繋がりや「あ、だからあの時あーなったのか」という背景が立体的に理解でき、今後の政策立案にも生きる実感のある滞在となりました。

来月は西海岸出張です。またご報告します。