首相官邸の会議にて ーAI時代の規制・制度改革について考え意見するー

研究活動

6月29日、規制改革推進会議が総理官邸で開催され、委員として意見を述べてきました。2023年10月に委員を拝命してから2年9か月。この間、Googleカレンダーで確認できただけで約50回の議論(原則Youtube公開)に参加しました。その中には、インパクトある改革に至ったものもあれば、全く進まず力負けしたものもありました。

数分の短い意見の中に、3年間の集大成の気持ち、今の私の考えを押し込みました。その原稿をそのまま置いておきます。

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高市政権発足から8か月、AIの進化は目覚ましいものがありました。人間側の問いに応答する存在だったAIが、瞬く間に自ら働く自律的存在へと変化を遂げました。この延長線上に、日本が優位性を持つと言われるフィジカルAIが、目前に迫っています。

この歴史的転換点において、規制改革制度の最前線にいると「従来型の規制改革制度では立ち行かない」という危機感が日々募りました。本日提出した意見書「AI時代の規制・制度改革に関する意見」では、規制・制度改革の「考え方」の転換、制度の見直しを訴えております。規制改革はそれ単独の目的のためにあらずです。産業政策の手段として、視座をあげて取り組むべきと考えます。

そして私は、変革すべきは政府だけではないとも考えています。民間もアニマルスピリッツを取り戻し、イノベーションに挑戦する姿勢が求められます。私もビジネススクールの教員として、本気の政府に呼応できる民間人材の育成と官民の橋渡しに、引き続き尽力してまいりたいとの決意を新たにしています。

高市総理、皆さまにおかれましては、「強い経済」の実現に向けて、民間が挑戦できる制度への決断・実行をお願いいたします。

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この3年間を振り返ると、私の活動もちょっとずつ進化していました。
〇1年目=個別議論のキャッチアップで精一杯
〇2年目=規制の「経路依存の罠(North, 1990)」の存在に気づき抗おうとする

〇3年目=「ダブルループ学習(Argyris & Schön , 1974)」の概念で規制改革「プロセス」の議論に持ち上げようとする

個別規制の改正議論はまさにシングルループ。既存の規制体系という前提をもってして「この部分がおかしい」というエラーを1つずつ潰していくものです。一方で、規制の在り方そのものを問う議論は、ダブルループ。AIの社会実装が日々進化する中では、個別規制の是正を積み重ねるだけでは、すなわちシングルループだけでは、規制制度改革はグローバルの変化に追いつけない!!という、一段引き上げた議論を投げ込めたことは、3年やったからこそのことだったと思います。2023年10月にこの会議に加わったとき、正直なところ、自分がこれほど「規制改革の在り方そのもの」について考えることになるとは想像していませんでした。

もちろん全てのことは規制改革推進会議のチームでやってきたことです。素晴らしいチームに恵まれ本当に幸せな2年9か月でした。

当時の資料はこちら

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